2004年11月 翻訳 by エリック・チェッター

多様性妨害

Translated from http://www.washingtonpost.com, “Diversity Stymied” Monday, November 29, 2004; Page A18

 

ミシガン大学の努力によって大学教育での多様性を保つための徹底的に計画されたアファーマティブ・アクションの妥当性を定着させた最高裁判決が去年だったというのに、今年、ミシガン大学の黒人入学率が減ったのである。黒人の学生の申し込み数は去年より25%も下がった。今年の入学者の人数が史上最大に対して、今年の入学黒人学生数は大学全学で去年の1960人から1875人へと少なくなった。院生の入学率が少々上がったものの、全学生としてはアフリカ系アメリカ人の割合が去年より下がった。

この統計がなぜこのように絶望的な数字がでたのかということは明らかではないが、ミシガン大学のオフィシャルによると、訴訟の影響で、少数派グループの人を招く大学ではなく、差別がまだ問題になっている大学だという評判がついたせいである。重大なポイントについていい判決が下された後にもかかわらず、反対派の活動家の州におけるアファーマティブ・アクション禁止運動が入学希望者を遠ざけてしまったとも考えられる。

とはいえ、主な問題はミシガンに無関係の可能性もある。ポスト紙のスタッフライターであるマイケル・ドブスの報告によると、ほかの大きな大学でも黒人入学希望者が減っていく傾向が見られる。その中に、カリフォルニア大学のほとんどの学校とノースカロライナ大学チャペルヒル校の公立大学も、私立のペンシルベニア大学も含まれている。今年、ジョージア大学では黒人入学希望者が26%下がり、オハイオ州立大学では29%下がり、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校では32%下がった。

現実的に言うと、エリート大学が望むほどの実力を持っている黒人学生―特に男性―がアメリカの公立教育制度によって育てられていないのだろう。したがって、その実力を持っている人を受けようとするための競争が激しく行われている。つまり、少数派の入学率を上げるには最適なアファーマティブ・アクション・プログラムも、授業料用奨学金をメリットより必要性によって与えることも、入学する準備ができている学生を増やすことも全部一つ一つの鍵である。どんなに大学が多様性を保ちたいといっても、少数派を招きたいといっても、入学希望者を育てる小中高等教育制度における根の深い失敗を逆転させることは難しい。