さまよう日々

2005年秋学期
by 日本語330L

編集(へんしゅう):トラン、デュポン、ゾス

 今は2050年。ここはアメリカのテキサス州という所にあるオースティンという町。私は三十歳だ。若かった時、私の夢はマイケル・ジャクソンのようにダンスをすることだった。十年前に歌手になりたかったので、ニューヨークに行った。でも、行く前に、家族のみんなはニューヨークに行くことに反対した。みんなは私が一人でニューヨークに行ったら危ないと思った。しかし、私はニューヨークに行くことにした。歌手にならなければ、日本に帰れなかった。
 ニューヨークで、歌い方とダンスを勉強した。すばらしい歌手になるように一生懸命練習した。しかし、事故があったので、私はもうダンスができなかった。それで、手術をするために、オースティンに引っ越した。オースティンには世界で一番上手な外科医がいた。医者は私に、「この手術はとても危ない。手術をすれば、全然歩けなくなるかもしれない」と言った。家族は私に手術をしてほしくなかった。「もう素敵な声があるんだよ。踊らなくてもいい」と言った。でも、私はダンスをしなければ、生活の意味がないと思った。だから、手術をすることにした。
 手術をする日に、いつの間にか目が回って、寝た。目が覚めた時、床に寝ていたことに気がついた。すぐ足を見て、「まだある」と言った。自分の手術が成功したと聞いた。私の怪我は治ったようだ。うれしくなって、お医者さんと手術の成功を祝いたかった。でも、回りを見るとだれもいなかった。お医者さんも看護婦も患者もいなかった。「どこに行った?みなさん」と呼んだ。ゆっくり立つと、みんなが病院にいないことに気がついた。
 どっと、全部病院の電球が消えた。次に、私は廊下の角に何かが動くのを見たと思った。その角の方へ歩いて行った。でもそこには、だれもいなかった。暗闇の中で、外に行くことにした。自分の足が痛かったので、ゆっくり歩いた。すぐ、入り口を見つけた。私は囁きを聞いたと思った。戸が開いて、叫び声が聞こえた。それから、パニックを起こして、逃げようとした。でも、足が痛かったから、倒れた。そして、戸を見たけど、だれもいなかった。
 それから、建物に入ると、小さい明かりがついていた。近くに電話を見つけた。警察に電話をしようとした。でも、変な雑音が聞こえてきた。突然、風を感じた。戸がバタンと閉まって、同時に明かりも消えた。とても怖くて、動けなかった。突然、手をつかまれた。それは、冷たくて、ヌルヌルしていた。逃げようともがいたのに、無理だった。このまま死んでしまうかもしれないと思った。諦めて目を閉じた。
 気がついたら、メロディが聞こえてきた。最初から、メロディーがドキドキするほど高らかだったが、すぐにメロディーがもっとくっきり聞こえてきた。どこからメロディーが聞こえてくるのかしらと思った。目を閉じて、耳を澄ました。きっと、近くからだ。突然、私の声だと気がついた。このメロディーは母が私に歌ってくれた曲(きょく)だろう。私は強い声で歌っていることに気がついた。だから、怖くなくなったんだ。しかし、私のそばで同じメロディーを歌っている声も聞こえてきた。目を開けて、ゆっくり見回わすと、母の顔が見えた。母は私に微笑んで、歌い続けた。母の後ろに全部の家族が見えて、ベッドの隣には花があった。今まで怖かったことは夢だったと分かった。
 私はうれしかった。座りたかったが、できなかった。妹は、「だめ、お医者さんは動かない方がいいって言っていたから」と言った。手術は本当に成功したと思った。医者が部屋に入ってきたが、その医者と前の医者は違った。「こんにちは」と言った。「今あなたの足は治りました。今からダンスができるでしょう。あなたのお母さんはこの病院にいらっしゃいます。花を持ってきてくださいました。またすぐここにいらっしゃるでしょう。」そして、母は部屋に入ってきて、私をしかっりと抱きしめた。
 三ヶ月後に、私はダンスをし始めた。毎日五時間以上ダンスを練習した。最終的に私は音楽の製作会社に入った。歌手にも一う回なった。でも、私は一年間歌手を続けたが、人気が出なかった。全部の努力が無駄だったと思った。私は自殺することにした。
 それで、先週ダンスのクラブに行った時に、新しい友達に会った。彼はちょっと若いと思った。でも、その夜のことは何も覚えていない。次の朝、私の頭がとても痛かった。その場所を知らなかった。だれもいなかった。「助けて!助けて!」と叫んだ。それで、だれかが私の名前を叫んだ。突然、思い出した。もう一度あの病院の廊下にいるのかもしれないなぁと思った。人気がなくて、命も惜しくなくて、私はすべてを捨ててしまう覚悟だった。その瞬間にあのメロディーが戻ってきた。黒幕の下からクラブのダンサー達が見えた。そして、突然、私はステージにいて、明かりで目の前は真っ白だった。歌手になったかどうか分からなかった。

 

終わりの章(しょう)#1

 

by トラン

 私は黒幕の後ろで大勢の人が誰かのために声援を送っているのを聞いた。でも、誰に声援を送っているのかはよく分からなかった。突然に黒幕が開いて、人々は私の名前を呼んでいたことに気がついた。ついに歌手になれたと思って、うれしくなった。マイクをつかんだ瞬間、全部が消えて、ステージが白い部屋になっていた。そして、自分はまだ病院にいたことに気がついた。とうとう、私はダンスクラブで会った若い男から自殺するためにピルズをもらったことを思い出した。自殺にしっぱいしたのは良かった。なぜならこの出来事は私に人生の大切さを気づかせてくれたからだ。そして、もう一度歌手になる夢に何かってがんばることにした。それから10年経ち、今2050年で、私はテキサスで人気がある。今の私の夢は全国で有名になることだ。

 

 

 

おわり