story telling project

  

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家族

 

 

 

 

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ふたごのきょうだい

 

犬にかまれたことはいいこと?

タン・ウェン
412L, 2006年春がっき

 

 **ウェンさんの話は本当にあった話を使ったフィクションです。

 実は、私には妹がいます。彼女は四歳年下です。小学生のとき、毎日一緒に学校へ歩いていって、家に帰りました。

 で、ある日、大変なことがあったんですね。近所には、いじわるな犬がいました。その日、その犬の家のそばを通ったら、犬が出てきて、私たちにほえ出したんですね。妹は怖がったんです。実は、私も怖かったんですけど、妹のために、きょうふを見せませんでした。「速く帰ろうね」と妹に言いました。そしたら、とつぜんいじわるな犬が私たちのところに走ってきて、妹にとびかかったんですよ。

 どうすればいいか分かりませんでしたが、何かしなければならないので、考えずに、いっしょうけんめい犬をけったんです。そして、犬がないて、にげました。私は妹をだきあげて、「大丈夫か」って聞きました。かわいそうな彼女は泣いて、答えることができませんでした。泣きながら、「こわい、こわい」としか言えませんでした。「今すぐ、帰るから、泣かないで」と妹に私は言って、ぎゅっとだきしめたんですよ。

 でも、それだけではないんです。犬が戻ってきて、私は足をかまれたんです。妹はびっくりして、叫びました。私はほほに妹のあたたかい涙を感じました。なぜか、私はとてもおこったんですね。犬が大嫌いな思いを感じて、「帰って」と犬に叫んで、わめきながら何度も犬をけったんですよ。犬がやっとにげたんです。

 それで、妹をだきかかえながら、走って帰りました。家の前で、妹を下ろして、彼女に「大丈夫?あいつにかまれなかった?」と聞きました。妹は首を横にふりました。けがをしなくて、よかったんです。私も大丈夫でした。犬に足をかまれたと思いましたが、ズボンのすそだけでした。

 妹は「ありがとう、お兄さん」といきなり言いました。

 その日、妹に「お兄さん」と呼ばれるのは初めてだったんですよね。うれしいけいけんでしたよ。

 私はちょっとおどろいて、「いや」と答えました。「妹を守ることはお兄さんの仕事だからな」って。そして戸を開けて、手を持って、一緒に家に入ったんです。

 

last modified 2006年7月15日